皆さんこんにちは!
長野大学温泉同好会部長の小川です!
最近は週10のペースで温泉に入っていて、その中でも特に入ることの多い「共同浴場」について
ちょっと書きたいな~と思います。
「ビジネスじゃない」
私が個人的に一番利用する頻度が高いのは
「別所温泉 大湯」、次いで「万葉超音波温泉」。
(万葉温泉はイマイチ共同浴場か微妙ですが。)
今回は特に、「大湯」についてです。
「ビジネスじゃない」という言葉は、ここを毎日
利用する地元のじっちゃんが言っていた言葉。
大湯のような共同浴場というのは、だいたいが
「地域の方が主に利用し、維持管理も同様に地域の方が行っている」ものです。入浴料が150円と
安く設定されている最たる理由はこれでしょう。
ビジネスじゃない、つまり金儲けのために運営している訳ではなく、地域が長年大切にしてきた
財産である温泉を持続的に利用するために振興、運営しているというわけです。
共同浴場の危機~財産区結成へ~
共同浴場の歴史は様々ですが、なかなかの苦労の
連続であったというのは想像に難くありません。
何しろビジネスではないのですから、利用者から高額な利用料金を徴収することはできません。
しかしながら、他の温泉と同様に維持管理費というのはとんでもない値段になるわけです。
そんな厳しい状況が続いてきた中で、特に一番の
存続の危機となったのが「温泉の国有化」です。
温泉は元来その温泉を所有する地域の財産で、
明治以前は細か~い行政区分、すなわち村が存在していたために、村が管理を行っていました。
しかし明治以降、国が財力を強化するためにそれまでに村有であった土地などを官有化するという
暴挙に出たのです。今までは、温泉は「地域の中にあるのが当たり前」であり、「村が所有している」という法的な根拠が無かったというわけで、
国に奪われてしまう形になりました。(別所温泉もそうです。) 官有化されたあと、一時は「国からの貸し出し」という形で貸借料を払わなければ
利用できなかったという、理不尽な状況が続きました。別所温泉村(当時)としては、「一度他の人の手に渡ったらまずい」という認識で、村の年度予算に匹敵するほどの大枚を叩いて温泉を国から払い下げ(買取)し、温泉を地域へ取り戻したわけです。その後、別所温泉村が塩田町へと吸収合併される際に、「温泉財産は別所温泉地域のものだから、温泉については地域が所有し、決定権を侑する」ことを条件とし、その財産に法人格を持たせるという形で「別所温泉財産区」が誕生しました。(※法人格があれば、所有権が主張できる)
共同浴場っていいよね。
財産区についての理解は素人で、ものすごく大雑把ですが簡単にまとめました。共同浴場を維持管理することの大変さというのは、域外からの利用者である我々には想像し得ないでしょう。
私が共同浴場を好きな理由は「良い温泉を安く楽しめる」ことに加え、「利用している地域の方との交流や、地元の空気感を味わえるから」というのも大きいです。野沢温泉に行くと、必ず地元のおじいちゃんと話をします。この時間が素敵。
いや~やっぱ、共同浴場っていいよね。
参考資料:別所温泉財産区公式サイト https://www.besshoonsen-zaisanku.com/about/
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