その湯・建物・安さに震えろ!

共同浴場入門者にオススメ

部長が普段使いする温泉といえばココ

別所温泉 大湯(上田市)

<前置き>この記事を書いてる人:温泉同好会の部長・小川直也

 

長野県大町市にて育つ。大学入学後、200か所以上の温泉を訪問し、数えられるだけで合計で500回以上入浴している。でも本人は数なんてどうでもいいと思っている。

 

塩化物泉(しょっぱい温泉)と強酸性の硫黄泉(ビリビリ)、ぬるめの放射能泉が好き。

推しの温泉宿はセルバン白雲館。←詳しくはこちらから

 

好きな食べ物はシャインマスカット。嫌いな食べ物はタガメ、カブトムシの幼虫、ザザムシ、加熱してもなお原形をとどめているトマトやナス、アルコール飲料。

 

これからおやすみの方も、お目覚めの方も、そして偶然この記事を目にしてしまったあなたも...。

ようこそごきげんよう。温泉同好会部長の温泉紹介の時間です。いまから皆さんに上田の温泉を味わってもらいます。私の銭湯力は、53万です。

 

さて、↑の文章を見てもまだブラウザバックしなかったそこの貴方は逸材です。ぜひこの記事を最後までご覧になることをお勧めいたします。

 

今回ご紹介するのは、私(部長)が普段使いの温泉として利用させていただいております別所温泉の「大湯」。上田市にはめちゃんこ多くの温泉がありますが、その中でなぜここを選ぶのか...その理由も一緒にご紹介します!

<前置き>大湯の歴史~あの人とあの人が入浴した~

だいたいこういう紹介記事は、歴史の説明から入るというのが決まっていますね。

温泉の歴史とか興味ねェんだワ」とかほざくそこの貴方!まだブラウザバックをするんじゃあないッ!ぶっちゃけ私もそこまで詳しくないのでさらっと済ませるッ

 

別所温泉の由来には諸説ありますが、神話上の「日本武尊(ヤマトタケル)」が発見したという伝説が語り継がれています。温泉地の由来としてはよくあるパティーンですが、ぶっちゃけただの伝説にすぎません。史実として明確な記述があるのは「万葉集」。800年前後に成立したといわれるアレです。皆さん、親の名前よりも聞いたことがあるでしょう。別所温泉が信州最古の温泉地として知られる理由も、万葉集に記述があったから、というわけですね。

 

有名な人が温泉に入った/発見したことで、その温泉に名前が付くことが多々ありますが、今回紹介する「大湯」には2人の有名な(?)歴史上の人物が関係しています。

 ①長野県民は知っとけ!木曾義仲

まず伝説として残っているのが「木曾義仲」さん。長野県民なら名前は聞いたことがあるはずです。源氏と平氏がドンチャカしてた時代に生まれ、源氏の人間として育てられました。長野県の木曽地域で育ったことから、木曽の氏を名乗るようになったようです。私も「大町」姓を名乗ろうかなと思います。いや大町直也はNG。

 

この方が平家討へ赴いた際、1番目の奥さん「藤原の伊子」...ではなく、2番目の奥さん「巴御前」...でもなく、3番目の奥さん...がそもそも実在するかも疑わしいですが、「葵御前(あおいごぜん)」という方を連れて平安時代の1181年によく入浴したのが、当時の大湯だったようです。

 

ずいぶんとモテる人だったんですね(#^ω^)ビキビキ

 

それはさておき、「葵御前」が入浴したことが由来となり、当時は「葵の湯」という名称がつけられたようです。今でも、大湯の建物の横には「木曾義仲ゆかりの湯 葵の湯」と彫られた飲泉塔があります。

 

残念ながら、義仲さんに関しては史料による明確な根拠が乏しく、想像上の部分が多いようです。それをご承知おきください。

 

「お、俺が悪いってのか…?俺は…俺は悪くねえぞ。だって師匠が言ったんだ…そうだ、師匠がやれって!」「こんなことになるなんて知らなかった!誰も教えてくんなかっただろっ!」「俺は悪くねぇっ!俺は悪くねぇっ!」

 

②塩田の地を治めた 北条義政

この方はあまり有名ではないかもしれません。鎌倉時代、執権の北条時宗(こっちは有名ですよね)を補佐する「連署」という役職に就いておりました。

そのときに拠点としていたのが塩田荘で、1330年ごろまで塩田を支配下においていたようです。この北条義政が浴室を建立し、入浴したのが当時の大湯。このことから、北条湯とも呼ばれていたことがあったみたいです。

 

で...なぜ今「大湯」と呼ばれているのか??ということですが、こちらはかなりシンプルな由来。「溢れ出るお湯の量が多かったから」大湯らしいです。

 

勉強が出来るから出木杉君、地獄(ヘル)を揺らす(シェイク)からヘルシェイク矢野。

「スピーカーから音がマグマの様に湧き出る」「マグマの様にミキサーを操る」からマグマミキサー村田。といった感じでしょうかね。

 

と、サラっと済ませるつもりが長くなってしまいました。すマーン!!!!

肝心な温泉の紹介:大湯か、それ以外か

こちらの写真は3月末、時季外れの大雪に見舞われた日に撮影したものです。信州人とはいえ、雪が少ない上田市で急に大雪が降るとは思えず、薄着しか手元になかったのでシャツ1枚で大湯へ向かいました。ゲロ寒かったです。

 

こんな時、普通であれば「こんな寒い中シャツ一枚で外出するなんてイカれてる」「家のお風呂にしとけダボカス」と多くの人が思うでしょう。それでも

 

大湯には私が普段使いする理由があるッ!天気は関係ない!

以下、その「理由」とやらを箇条書きでご紹介します。

 

一、硫黄泉の香り・鮮やかな緑のお湯が創り出す謎の居心地の良さ

別所温泉の泉質は「単純硫黄泉」。試料1㎏中に含む蒸発残留物が1000mg以下ですが、総硫黄(硫黄系イオンの分子量を足し合わせたもの)を一定値以上含むためこのような名前になっています。

特徴といえばやはり、硫黄の香りがほどよく香る心地よいお湯です。硫黄の香りがキツすぎるのが苦手という人でも、いわゆる「温泉らしい」ニオイを楽しめます。また、アルカリ性のお湯なため、肌の皮脂を溶かす効果があります。入った瞬間から、お肌にヌルヌル感があるはずです。

 

 

そして、特筆すべきなのはお湯の鮮やかな緑!写真の通り、緑色のお湯が窓から差し込む太陽の光に照らされて非常に美しいですよね。

 

別所温泉は他にも「大師湯」「石湯」という共同浴場と、「あいそめの湯」という日帰り入浴施設がありますが、お湯が緑色になっているのはここ、大湯だけです

↑の写真は、特に何も加工を施していません。

私はこの「緑色のお湯」がこんこんと注ぎ込まれる長方形の浴槽と、それを照らす窓から差し込む光が大好きです。よく「眺めが良い温泉が好き」とおっしゃる方がおられますが、「眺め」というのは「風光明媚な滝や川、深く入り組んだ峡谷、夕日が沈みゆく日本海」といったものに限りません。私は、大湯に行ってそのことを思い知らされました。

 

また、共同浴場というと「地元のじっちゃんがクッソ熱いお湯に澄まし顔で入ってそう」というイメージをお持ちの方もいると思いますが(野沢温泉とか割とそういうところありますけど)、こちらはそんなことありません。温度は41~42℃くらいと、普通の家のお風呂よりはちょっと熱めに感じるかもしれませんが、肩まで浸かれば大したことはありません。

二、露天風呂もあるぞ

先ほどの「眺めが良い」内湯だけでなく、なんと露天風呂もついています。こちらのお湯は透明ですが、硫黄の良い香りが鼻腔を擽ります。お湯の温度も内湯と比べてぬるめなので、内湯に入っていて熱くなってきたら露天の方で休憩...というのも可能。それでも熱い!倒れてまう~~!となった人のために、しっかりと座って休む場所が用意されていますのでご安心ください。

 

別所温泉に3つある共同浴場のうち、露天風呂があるのはここ、大湯だけです。

これ大事。

 

三、シャワーはないけど、使いやすい...「カラン」

大湯をはじめとした別所温泉の共同浴場は、シャワーがついていません

 

この時点で既に「は?シャワーないってマ?それちょっと無理だわ。

温泉同好会のファン辞めます。」と諦めてしまう人がいると思います。

 

確かにシャワーはありませんが、代わりに「カラン」と呼ばれるものがあります。それは何かと言うと、単なる蛇口です。

2種類の蛇口があり、左側の「ボタンを押すとお湯が出る」蛇口と

右側の「蛇口を捻ると水が出る」蛇口があります。お湯が出るほうからは結構熱めのお湯が出てきてしまうため、それを桶の中で水と混ぜて丁度良い温度にします。

 

また、シャワーとは違って頭を洗ったり体を洗うのに何回もお湯と水を汲まなければならず、「いつ俺は頭を洗い終わるんだ」と思うかもしれませんが、これは完全に慣れです。そのうち3,4杯で頭と体を両方洗えるようになります。

コツは「ちょろちょろ流す」ことです。案外、お湯をざばーんと掛けなくてもシャンプーの泡は落ちます。

 

このカランは、大湯が共同浴場入門者にオススメな理由の一つです。中にはもっと操作が難解な所もありますが、こちらはかなり使いやすい部類。ここで慣れよう!

 

2020年9月18日追記:女性で髪の毛が長い方からすると、なかなか難しいのかもしれません...(´;ω;`)でも頑張ってくれ...!!きっと光が差すはずだ...!!

四、うわっ... 大湯の入浴料、低すぎ...?

※著者近影??

大湯をはじめとした別所温泉の共同浴場は、

入浴料が全て...150円!!

 

初めて行った時、入り口横の入浴券売機の値段を見て腰を抜かしました。

 

大湯の場合、緑色のお湯をした内湯とそれに加えて露天風呂もあって

それで150円です。安すぎて不安になってくる。

自販機で500mlのコカ〇コーラを買うよりも安いというのはビックリですよね。

 

安さの秘訣は、やはり「地域の方が管理する共同浴場だから」でしょう。

大湯をはじめとした共同浴場の所有者は、「別所温泉財産区」という特別地方公共団体です。そして、掃除や番頭さんなど、お風呂を管理しているのは地元の方なわけですね。商業目的で運営しているのではなく、昔から大切に受け継がれてきたお湯を守り、地域の宝として次の世代へ引き継ぐという大義があります。(おそらく)

財産区についてはこちらの記事を併せてご覧ください。


<総括>

コロナ禍の影響で、5月は温泉に全く(ガチでゼロ)行っていなかった私ですが、6月からは週に2回は大湯で入浴しています。正直言って、「温泉に行っている」という感覚は当の昔に薄れており、今では「家の風呂に入っている」感覚です。(もちろんマナーは守りますよ!)

おそらく上田市に住まなければ、大湯と出会うことも無く、ここまで通うことも無かったのだろうと思います。ありがとう、上田市。ありがとう、別所温泉。ありがとう、長野大学。ありがとう、お母さんとお父さん。ありがとう、おじいちゃんとおばあちゃん。ありがとう、バイト先で関わってくれているみんな。ありがとう、Twitterのフォロワーさんたち。(ここまではガチの感謝)

ありがとう、スンドゥベヌメロンチョ。ありがとう、シャインマスカット。ありがとう、ミニトマト。ありがとう、Долгорсүрэнгийн Дагвадорж ...。

 

<お わ り>

 

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